樹木は、何らかの理由で傷がついたとき自ら傷口をふさぐため樹液を出し修復します。その樹液が土とともに堆積し、約3500万年以上という長い年月をかけ化石化したものを琥珀と言います。
一般的に2000万年以上前に生成された物を琥珀と呼び、それより若いものはコーパルと呼び強度などにその違いが表れます。松柏科植物・スギ科針葉樹・マメ科広葉樹のいくつかの樹木の樹脂からしかできないこと、また樹脂が化石化するまでには数千万年という長い年月が必要であることから極めて希少性が高いことが分かります。
バルト海の琥珀はバルティックアンバーと呼ばれ、既に絶滅した樹木からの産物で、その品質 希少価値から世界最高峰と言われています。琥珀の中にある気泡は漂流中クッションの役割となり、気泡が少ない部分は削られ次第に無くなってしまい、透明度が低いものが多く残ります。ですから透明度が高く色も美しい琥珀は更に希少な物となります。
バルト海の琥珀には、「透明」「半透明」「不透明」と様々な種類があるとともに、色も様々です。代表的なカラーは、「ロイヤルアンバー」・「コニャックアンバー」・「イエローアンバー」・「グリーンアンバー」・「チェリーアンバー」で、その中でも非常に希少価値の高い琥珀が、「ロイヤルアンバー」と呼ばれるもので、バターカラーや乳白色のマーブル模様が特徴の琥珀です。そのなめらかな輝きから、ヨーロッパの貴族やロイヤルファミリーに愛されてきました。そのことから、「ロイヤルアンバー」と言われるようになったとも言われています。ロイヤルアンバーは、琥珀全体の0.1～0.2％ほどしか産出されず その希少価値の高さと、気品あふれる柔らかな色には定評があります。
その頃は、今とは大きく違い樹液のながれるスピードが格段に速いと言われいて樹脂が土の上に流れ落ちその際に、昆虫たちや木の枝葉・海藻などを、取り込み様々な内包物を含んだ琥珀が存在します。通常のジュエリーは内包物があると価値が下がりますが、琥珀はその逆です。琥珀の中に閉じ込められた虫たちは、非常によい状態で保存されるので、内包物が何かすぐに認識できるものほど高価になります。昆虫や植物が入った琥珀は、まさにその時代の壮大なロマンを閉じ込めたタイムカプセルのようなもので当時の環境を知る上での貴重な情報源と言えます。琥珀そのものだけでなく透明な琥珀の裏側から緻密な彫を施したインタリオ。ヨーロッパの伝統的な高度な技術で、裏面に茶、青、赤などの色を付け、手彫りした絵柄を見えやすく、そして立体的に浮きたたせるように施した伝統工芸は目を見張るものがあります。そのうえ太陽の恵みを閉じ込めたと言われ、エネルギーを上手に循環させてくれるパワーストーンとも言われています。古代より数千万年旅してきた琥珀は、ひとつひとつ表情が違います。バルト海より届けられた琥珀の世界をぜひご覧くださいませ。