長い歴史の中で培われてきた織技術の豊かさは、西陣織元の中でも屈指のものを誇る
「洛陽織物」
とりわけ、格調高い礼装用の帯においては広く知られる存在です。
また現在では、その伝統を大切にしながらも、シックで洗練されたハイセンスなおしゃれ帯としても高い人気を集めています。
800年に迫る年月をかけて今も作り続けられている「博多織」
その精緻な技術を保ちながらも時代に合わせた変革に日々努力を重ねるべく立ち上がった「博多織信」
手紡ぎの真綿糸に、上品な焼箔を織り込んだ本作品は、おしゃれ用、またフォーマル用どちらにもふさわしい、豊かな立体感と奥行きを備えた一品です。
細密に裁断した和紙箔を一枚ずつ丁寧に織り込むことで、光の角度によって表情を変える、繊細で趣のある風合いを生み出しています。
現在では、引箔を手がける職人は年々減少しており、本作品に用いられている技法は、今や貴重な伝統技術のひとつとなっています。
引箔（ひきばく）」の技法を用いて織られた、高級袋帯の一種です。
箔を「糸に巻く」のではなく、「箔そのものを織る」ため、独特の存在感と立体感が生まれます。
金銀の輝きがありながらも、焼箔や古色の箔を用いることで、落ち着いた気品を感じさせます。
訪問着
付下げ
色無地（格の高い場）
などに合わせられ、式典・観劇・お食事会など幅広い場面でお使いいただけます。現在では、引箔を織りこなす職人が大幅に減少しており、帛錦袋帯は高度な技術と時間を要する、非常に希少な帯となっています。
長い年月をかけて磨き上げられてきた多彩な織技術は、洛陽織物の大きな魅力のひとつです。洛陽織物を代表する礼装用の帯はもちろんのこと、現在では意匠性に富んだおしゃれ用の帯まで幅広く展開され、伝統的な格式ある柄から、現代の感性を取り入れたモダンなデザインまで、実にさまざまな表情を楽しむことができます。
用途や装いに応じて選べる豊かなデザインバリエーションは、多くの方に支持され続けています。
伝統を大切に受け継ぎながらも、博多織本来の魅力を損なうことなく、時代に寄り添う進化を遂げた博多織信。
幾百年と培われてきた確かな技と風格ある織の美しさを基盤に、従来にはなかった配色や、自由度の高いデザイン、現代的な感性を取り入れた織り方など、幾度もの改良を重ねて生み出されています。
伝統の証である張りとしなやかさ、そして凛とした存在感はそのままに、ファッションやライフスタイルの多様化に応える表情豊かな博多織へ。和装だけにとどまらず、現代の暮らしや感性に自然と溶け込む、新しい価値を提案する織物です。
古き良き伝統と新たな創意が調和した博多織は、今を生きる人々の感性に響き、次の時代へと受け継がれていきます。
博多織は、しっかりとした厚みをもつ織物として知られています。その特長を生み出しているのは、
およそ6,000本から15,000本にも及ぶ経糸です。そこへ太さのある緯糸を丹念に織り込むことで、張りとコシのある力強い生地が生まれます。
さらに、文様表現にも大きな個性があります。京都の西陣織が主に緯糸によって柄を表現するのに対し、経糸そのものを操りながら模様を織り上げていきます。
そこに江戸紅型で模様を描き独特の雰囲気を醸し出した「博多織信」オリジナルの八寸帯です
こちらは紋織で織り上げた八寸帯です。
紋織は緯糸を用いて文様を描き出す技法で、織りの中で緯糸を自在に操ることにより、曲線や柔らかなラインを取り入れた表現が可能になります。
そのため、動きのある図柄や有機的なモチーフ、繊細で華やかなデザインなど、意匠の幅が大きく広がるのが特長です。
直線美を活かした平織と、表現力豊かな紋織。それぞれの織り方が持つ特性を生かすことで、博多織は伝統的な趣から現代的な感性まで、多彩なデザインを生み出し続けています。
佐賀錦比べると、鍋島錦は文様そのものの美しさを引き立てつつ、華やかさの中にも軽やかな印象を持つのが特長です。そのため、ややカジュアル寄りの位置づけとされ、訪問着から色無地、小紋まで、幅広い装いに合わせやすい帯として親しまれています。
それぞれの特性を活かし、用途や装いに応じて選べるのが、鍋島錦の魅力です。
幾百年にもわたり培われた確かな技術と、風格ある織の美しさを礎に、これまでにない配色や、発想にとらわれない自由なデザイン、現代のライフスタイルに調和する織りの工夫を重ねています。
そうした試行錯誤の積み重ねが、他にはない独自性を持つ博多織を生み出し、伝統と革新が融合した“オリジナル”として、今の時代に新たな価値を提案しています。
