羽ばたく美・伝統の意匠
鳥模様に込められた意味
日本では古来より、鳥は吉兆をもたらす特別な存在として尊ばれてきました。幸運・繁栄・長寿・魔除けを象徴し、着物の文様としても広く親しまれています。なかでも鶴や鳳凰は「めでたさ」を表す代表的な鳥で、婚礼衣装にも数多く用いられてきました。
日本神話や民間信仰では、鳥は神の使いや霊的な存在として登場します。
その神聖性から、儀式・祝いごとにふさわしい模様として用いられました。
日本の着物文化は、花・鳥・風・月が織りなす四季の移ろいを愛でる「花鳥風月」の美意識と深く結びついています。季節の鳥を描く文様は、自然が持つ儚い美しさをそのまま身にまとうかのような魅力があり、人々に豊かな情緒をもたらしてきました。
また、大空へ羽ばたく鳥の姿は、未来への希望や成長を象徴するものとして晴れの日の装いにふさわしく、今なお多くの方に選ばれ続けています。


