着物のたたみ方|
本だたみの手順をステップごとに老舗呉服店画像付きで解説

着物のたたみ方の基本は「本だたみ」です。着物の縫い目(脇縫い・背縫い・衽線)に沿って折りたたむ方法で、正しく行えば余計なシワが付かず、そのままたとう紙に包んで保管できます。

手順だけを文章で読むと難しく感じますが、大事なことは、「縫い目を折り目にそろえる」ことと、「シワを伸ばしながら畳む」ことの二つです。 。折る場所はすべて縫い目と決まっているので、順番さえ覚えればどなたでもきれいにたためるようになります。

この記事では、明治14年創業・長野県佐久市の呉服店やなぎだが、本だたみの手順をステップごとに画像付きで解説し、たたんだ後の保管のポイントまでご紹介します。

たたむ前の準備——3つのチェック

  1. 陰干しで湿気を抜く:脱いだ直後の着物には汗や湿気が残っています。着物ハンガーにかけて一晩〜二晩、風通しのよい室内で陰干ししてからたたみましょう。
  2. 手を洗い、清潔で平らな場所を確保する:手の皮脂は後々の黄ばみの原因になります。畳や床に清潔な敷布・大きめの紙を敷くと作業しやすくなります。
  3. 汚れ・シミがないか確認する:襟・袖口・裾・上前は汚れが付きやすい場所です。シミを見つけたら、たたんでしまう前にお手入れを。
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本だたみの手順(6ステップ)

ここでは、襟を左・裾を右に置いた場合でご説明します。

STEP1 着物を平らに広げる

襟が左、裾が右になるように着物を広げ、手前に下前(着たときに内側になる身頃)が
くるように置きます。

STEP2 下前を脇縫いで折り、(衽(おくみ)を折り返す

手前側の身頃を脇縫い線(青い線)で折り、さらに衽線(黒い線)で手前の赤い線の部分を持って、矢印の方向へパタンと折り返します

STEP3 上前の衽を重ねる

向こう側の身頃(上前)の衽を持ち上げ、STEP2で折り返した下前の衽にぴったり重ねます。襟先から裾まで縫い目どうしを合わせるのが、きれいに仕上げる最大のコツです。

STEP4 襟を折り込んで合わせる

背中心のあたりで襟を内側に折り込み、左右の襟をぴったり重ねます。

STEP5 脇縫いどうしを重ねる

向こう側の脇縫いを手前の脇縫いに重ねます。(青い線)身頃が縫い目どおりに左右ぴったり重なった状態になります。
※画像左上

STEP6 袖を身頃の上に折り返し、丈を丈を二つ折りにして完成

上になっている袖を、袖付けの縫い目から身頃の上に折り返します。裾を持って袖の上に半分に折って重ねます。下側の袖は身頃の下に折り込めば完成です。畳んだ後に着物がきちんと畳めているか、何処かごろついた場所はないか、確認してからしまいましょう。たとう紙や収納スペースの大きさに合わせて、折る位置を加減してください。

刺繍・箔・紋のある着物はひと工夫を。
金糸の刺繍や箔の上に折り目がかかると、傷みや擦れの原因になります。折り目が当たる場合は白い薄紙を当てるか、留袖や豪華な振袖には折り目の少ない「夜着(よぎ)だたみ」・という方法もあります。判断に迷ったらご相談ください。

夜着(よぎ)とは、現在の掛かけ布団ぶとんと同じようなもので、きものの形をしていました。体全体を包み込めるように身丈が190cmもあり、綿わたが全体に厚く入っています。もともと上流階級が使い始め、庶民が着るようになったのは江戸時代からです。夜具(やぐ)だたみ、平(ひらだたみとも呼ばれています。

長襦袢・帯のたたみ方

長襦袢は本だたみではなく「襦袢だたみ」でたたみます。脇縫いでは折らず、身頃を左右から折り込んで袖をその上に折り返し、最後に丈を二つ折り(収納に合わせて三つ折り)にする、よりシンプルなたたみ方です。

は、二つ折りを繰り返してたたむのが基本です。ただしお太鼓になる部分や金糸・刺繍の柄の上に折り目がかからないよう、折る位置を少しずらすのがポイントです。折り目のシワは着姿にそのまま出てしまいます。

たたんだ後は「しまい方」で差がつく

きれいにたためたら、たとう紙に包んで湿気の少ない場所へ。年3回(8月・10月・2月)の虫干しまで含めて、着物の保管は一連の流れです(→着物の保管方法記事・たとう紙記事へリンク)。

やなぎだでは、たたみ方や保管のご相談も店頭で承っています。佐久・軽井沢周辺でお手元の着物の扱いに迷ったら、実物をお持ちいただければたたみ方から保管方法まで実際にご案内します。長期保管には、窒素充填で変色やカビの発生を抑える無酸素パック「しるくパック」(2〜3年用・最大3点収納・税込7,700円)もご用意しています。

  • やなぎだ 中込店株式会社やなぎだ(長野県佐久市中込3679-9番地)
  • TEL:0267-63-5291(10:00〜18:30・水曜定休)

よくある質問

Q. 着物はハンガーにかけたままではいけませんか?
A. 陰干しは一晩〜二晩までにしましょう。長期間かけたままにすると、型崩れや生地の伸びの原因になります。湿気が抜けたら本だたみでの保管が基本です。

Q. シワにならないようにたたむコツはありますか?
A. 縫い目どうしをぴったり合わせ、折るたびに手のひらで空気を抜くように撫でることです。縫い目以外の場所で折らないのが本だたみの基本です。

Q. 刺繍や箔のある着物も同じたたみ方でいいですか?
A. 本だたみが基本ですが、折り目が刺繍・箔に当たる場合は白い薄紙を当ててください。留袖などは折り目の少ない夜着だたみをおすすめします。

Q. たたんだ着物はどう保管すればいいですか?
A. たとう紙に包み、桐たんすなど湿気の少ない場所で保管します。年3回(8月・10月・2月)の虫干しが理想的です。詳しくは着物の保管方法の記事をご覧ください。

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